子供のアレルギーとIgE数値との関係〜検査の数値と症状〜

子供がアレルギー体質かどうかの判断の基準の一つに、血液検査によって得られるIgE値というのがあります。

このIgE値というものがどういったものなのか、値が高いとどのようなリスクがあるのか、適正値はどの程度なのか調べてみました。

アレルギーに対して正しい知識を持つことにより、子供の健康を守る参考にしていただければ幸いです。

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子供のアレルギー検査のIgE値とは

少し難しい話になりますが、IgEというのは５種類ある免疫グロブリン（略号：Ig）の中のＥというタイプのことです。

免疫グロブリンというのは、抗体として働く血清タンパクのことで、身体の免疫に大きく係わっているものです。

特にIgEというのは、アレルギーや気管支喘息に関係しているとされています。

血液検査によって血液中にあるIgEの値を測定することによって、その子供がどの程度アレルギーをおこしやすいか（アレルギー体質か）という目安にしようとするものです。

しかし、IgE値が高いからといって、単純にアレルギー体質とはいえない場合も多いようです。

といいますのは、このIgE値というのは、個人差が非常に大きく、また子供の成長によって値が変わってくるものなのです。

ですので、あくまでもアレルギー体質かどうかの目安として捉える必要があるものなのです。

子供のIgE検査（アレルギー）の費用と数値

IgE検査には、２つの方法があります。

特異的IgE検査：何のアレルギーか調べる検査。例えば、アレルゲン（アレルギーの原因）がダニなのか、花粉なのか。

非特異的IgE検査：アレルギー体質の程度・強さを調べる検査で、IgEの総量を測定する検査。

特異的IgE検査で測定された値は、０〜６までの７段階に分けられ、単位はクラスという名称です。

０：陰性、１：疑陽性、２以上：陽性となります。

費用は、保険（３割負担として）適用された場合で、5000円〜8000円程度が目安です。

なお、アレルギーの症状が出ていない場合、保険が適用されない場合もあるようですのでご注意ください。

検査結果についてですが、IgE値というのは個人差や年齢による差が非常に大きいものになります。

基準値は、１歳未満：20 IU/ml 以下、１〜３歳未満：30 IU/ml 以下、４〜６歳未満：110 IU/ml 以下、７歳以上で170 IU/ml 以下というものです。（大人の場合は７歳以上170 IU/ml 以下となります）

この値は基準値という意味合いのもので、この値より少ない人でもアレルギー体質の方はおられますし、この値より多くてもアレルギー体質でない方もおられます。あくまで目安としての値としてご理解ください。

子供のIgEの数値とアレルギーの関係

アレルギーの子供を持っておられる方は、IgEの値（非特異的）というのは非常に気になるものだと思います。

IgEの値は７歳程度で大人と同じような値になっており、個人差が非常に大きいものといわれています。

また、値が高くてもアレルギー体質でない方もおられますし、逆に値が低い方でもアレルギー体質の方はおられます。

ですので、非特異的IgEの基準値としては170 IU/ml 以下とされていますが、一つの目安だという認識を持っていただきたいと思います。

それと、子供のIgEの値が高い場合で、現時点ではアレルギー症状が出ていない場合でも、将来アレルギー体質になる可能性が高いということは考えられますので、子供の成長に合わせてアレルギーかどうかのチェックには気をつけて行なう必要があるのではないかと思います。

それと近年、子供のアレルギーが増えた一つの原因として、生活環境が清潔になりすぎたためという指摘もあるようです。

子供のアレルギー、IgEの数値が高い子は注意

子供の代表的なアレルギーについて紹介します。

アトピー性皮膚炎

アレルギーの中でも子供が最初に発症することが多いもので、皮膚の表面がガサガサになって乾燥し、赤くただれてかゆみを伴う湿疹が見られ、良くなったり悪くなったりを繰り返します。

食物アレルギー

食べ物が原因となって引き起こされるアレルギーです。０歳児に多く、特定の食べ物を食べると、かゆみやじんましんなどの症状が生じます。

食品によってはmアナフィラキシー（複数の激しいアレルギー症状が急速に全身に現れるもの）を起こす場合もあります。

気管支喘息

気管支がアレルギー反応により狭くなったりすることで、呼吸が妨げられヒューヒューとかゼイゼイという音がし、呼吸が困難になる症状です。

アレルギー性鼻炎

ハウスダストや花粉などのアレルゲンによって、鼻粘膜が刺激を受けて起こる鼻炎です。鼻水や鼻づまり、鼻のかゆみなどがみられます。

子供のIgE数値を下げてアレルギーを改善するには

アレルギーを改善させる方法の一つに食べ物による方法があります。

ヨーグルト

ヨーグルトに含まれている乳酸菌には、腸内環境のバランスを整える作用、下痢・便秘の改善、免疫を正常にするなどがあります。

魚

魚に多く含まれる不飽和脂肪酸（EPA,DHA）などは、アレルギーに対して改善効果があるとされています。

お茶

日本茶にはカテキンやビタミンＣが多く含まれており、アレルギーに対して有効に働くようです。

また、日本茶以外に、よりアレルギーに効果の期待できるお茶として、甜茶（テンチャ）やグアバティ、ルイボスティなどもあるようです。

コーヒー

コーヒー豆には、ポリフェノールやカフェインなどが含まれていますので、適量のコーヒーはアレルギーの改善に良いとされています。

食用油

食用油の種類にも注意が必要です。サラダ油やコーン油などの植物油に多く含まれるリノール酸はなるべく控えめにしましょう。

また、マーガリンやショートニングを使った食品も控えたいものです。逆に、αリノレン酸やDHA、EPA などは積極的に摂るようにしましょう。

それと腸内環境を整えるというのも大きな効果が期待できます。免疫力を正常に保つ、消化吸収力を維持する、排泄が正常になり老廃物の排出ができるなどの効果が期待できます。